- よいお年を
- 贈呈式無事終了
- 第23回ペンクラブ大賞贈呈式
- 将棋ペン倶楽部56号発送
- 減量にひそむ罠(?)
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2011.09.02 Friday
私の背丈は大体165cm。体重は20歳の頃は50kg前後だったのですが、酒を飲むようになってから何回か階段状に増加し、昨夏のピーク時には64kgに到達しました。肥満度の指標であるBMIは23.3ですからまだ標準の範囲内(18.5以上25未満)ですが、このまま増え続けるのは好ましくないでしょう。
とりあえず食生活を見直しました。炭水化物の摂取をできるだけ抑え(特に夜)、酒や甘味もストレスにならない範囲で量を減らしました。とはいえ宴席で、あれは食べないこれは飲まないでは興ざめであり楽しくないので、宴席では大いに食べて飲んでいます。
結果、二ヶ月ほどで57kg前後で体重が安定するようになりました。開始前は60-62kgを行ったり来たりしていましたから、3kg程度は確実に減らすことができたようです。
この食生活の軸は豆腐です。米食党にとってごはんをがつがつ食べられないのはいささか残念なのですが、代わりに豆腐に色々なものをかけ、温めて食べるのもなかなかおいしい。
豆腐は二三日分をまとめて買っているのですが、ある日、豆腐売場でいきなり谷川浩司九段が脳内映像に飛び込んできました。もちろん、豆腐売場にはどこにも将棋を思い起こさせるようなものはありません。
しばし豆腐売場に立ち尽くすあやしげなおっちゃんと化した後、ようやく何が原因か分かりました。これでした。
文庫で復刊された『光速の終盤術』、まだ読んでないんですよね…
- ブックス・ルーエの花本さんに感謝! その3
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2011.08.25 Thursday
「すみません、ワタクシ将棋ペンクラブという団体で幹事をしている者なのですが……」
アポイントもなしでいきなり声をかけた私を、花本さんは気さくに受け応えしてくれました。私は聞きたかったことを交えながら、雑談のような感じで10分程度お話しさせていただきました。
「どうでしょう、売れてますか?」
露骨ですが、将棋ファンとしては気になるところです。しかしお答えは、芳しくないとのこと。うーん、ここまですばらしいセッティングでフェアを行っていただいているのに、やっぱり難しいのでしょうか。
どうしてフェアを、との質問には、面白い答えが返ってきました。なんでも竜王らしき方が来店されたそうで、もしも次回来店したときに将棋フェアの棚を見たらどう思うだろう、ということでやってみたとのことです。すごい実行力だなぁとビックリしてしまいました。
花本さんからは棚を写してブログに載せることも快諾していただき、「どうぞ持っていってください」とフリーペーパーも数冊手渡されました。感謝の言葉もありません。元々こちらのポイントカード持っている私ですが、さらにこちらで買い続けようと誓いました。
お礼を言ってカウンター横から離れた私はフェアの写真を撮りました。その案内板がまたいいのです。画像でお分かりのとおり、「知のスポーツ最高峰!」ですからねぇ。「将棋浪漫」という言葉もホントに素敵です。「将棋フェア」と書くより数段アジがあるというものです。その下にはなにやらフィリップ・K・ディックを彷彿させるフレーズが。このさり気なさが心憎い。
私の持っていない本があったので購入することにしました。画像の『将棋駒の世界』です。レジに持っていくと花本さん、「将棋駒、本当に美しいですよね!」。いやぁ、そうまで言っていただけると、将棋ファンとしてはなんだか照れちゃいます。
私はこれからも花本棚の熱心なファンでいようと密かに思いながら、すっかり日の落ちた吉祥寺をあとにしたのでした。
(おわり)
- ブックス・ルーエの花本さんに感謝! その2
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2011.08.20 Saturday
花本さん、なぜ将棋を指さないのに将棋の本を読むのが好きなのか。なかなか不思議なところです。私はゴルフをやらないのでゴルフの本は読まない。ブリッジの本も読まないしラクロスの本も読まない。関わりがなければそれに関連した本も読まないというのが一般的なところじゃないでしょうか。しかし花本さんは読む、関わりがないのに……。
もっとも将棋は世間に広まっている競技なので、解説書だけでなくそれを題材にした物語やドキュメントも数多く出ています。スポーツよりも文章に適しているので、臨場感も出しやすい。マンガもある。なので本好きにはとっつきやすい分野でもあります。
だからまぁ指さない人が将棋本を読んでもなんら不思議はないのですが、しかし私は興味を持ってしまいました。そこでさっそく花本さんの元へ。「教えて! ルーエの花本さん」というどこかで聞いたようなフレーズを頭の中に浮かべながら、私は夕暮れの中央線に乗り込んだのでした。
吉祥寺で降りて一路ブックス・ルーエへ。まっすぐ2階へと言いたいところですが、まずは地下1階の将棋本の棚をチェックします。あと鉄道の棚も(個人的には将棋より鉄道の方が好きなのです)。
一息ついて、満を持して2階へ上っていきました。
通称花本棚の「将棋浪漫」をあらためて眺めます。すばらしい! 将棋本が特設棚に、きれいに並んでいるのです。
その品揃えがまた見事です。大崎さんの本、団さんの本、いいですねぇ。将棋知らない人が、「へぇ、なんだか面白そう」って思ってくれるようなリストです。でもお客さんはあまり興味がなさそうだなぁ……。
振り向いてカウンターを見ると、花本さんが立っていました。私は先日、書店関係のライブイベントでYMOの演奏をバックに詩をアツく読み上げている花本さんを観ているので、お顔は存じております。私はおずおずと近寄り、自己紹介をしたのでした。
- ブックス・ルーエの花本さんに感謝! その1
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2011.08.18 Thursday
地元に溶け込んでいながら、マニアックさも併せ持つというすばらしい本屋さんが吉祥寺にあります。そう、こういったお店は、書店ではなく「本屋さん」と呼びたいものです。
本屋さんの名は、『ブックス・ルーエ』。吉祥寺北口から東京三菱UFJ銀行(略して三菱銀行)横のアーケード街をまっすぐ進み、途中の古本屋で立ち止まりたくなるのをぐっとこらえてさらに進むと、その新刊書店はあります。あ、本屋さん、ですね。
私は以前からルーエさんのファンで、吉祥寺に行った際には必ず覗いています。BGMがビートルズのところ、かなりの本好きでないと興味を示さないような独特のフェアを行うところ、フリーペーパーを大事に扱っているところなどが、ファンになった理由です。
ルーエさんは地下1階から3階までのペンシルビル様の構造で、各階に書店員がいます。その2階に書店業界で有名な花本さんという店員さんがいて、階段を上がったところに通称「花本棚」というコーナーを設置しています。ここが、本好きにはたまらない棚となっているのです。ちょっと前など、「非活字文庫フェア」ですからね。
その花本さん、ありがたいことに将棋本に目を向けてくれたのです。題して、「将棋浪漫」。
こちらはそのフリーペーパーの表紙。カッコいいですね〜。開くと今回のフェアで扱っている本のリストが記載されていまして、裏は花本さんの名コラムです。
コラムの書き出しが、こうなっています。
「将棋のルールを知らず、棋譜も読めないのですが、将棋の本を読むのが大好きです」
いやぁ、うれしいじゃないですか。読み物という観点から、将棋を捉えてくれている。こういう企画が、将棋の認知度を広めてくれるんですね。
あんまりうれしいんで連載でお届けしちゃおうと思います。一回だけじゃもったいない。
なお「将棋浪漫」は8月いっぱいまで続ける予定とのこと。ぜひ皆さん伺ってみてください。フリーペーパーを入手するだけでも行く価値ありです。
う〜ん、久しぶりに酒以外の話だ。
- 詰将棋のBGM
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2011.08.13 Saturday
貧乏暇なしを地で行く暮らしをしておりまして、このところさっぱり将棋に時間を割くことができません。行きの通勤電車で詰将棋か、一手必至を解くくらいがせいぜいです。
電車の中ではiPod touchを使って音楽を聞いています。iPod touchは以前コレでも紹介しましたね。
聞くのはクラシック音楽一辺倒ですが、バッハ(1685-1750)の音楽を聞いている時は他の作曲家の音楽を聞いているときよりも頭がよく働く、ような気がします。特に鍵盤楽器やパイプオルガンの曲を聞くともなしに聞きながらだと、特にいい、ような気がします。バッハの他によく聞いているのはリュートの音楽です。中世英国の作曲家、ジョン・ダウランド(1563-1626)のリュート曲集をランダム再生しています。
逆に気が散って仕方がない音楽の代表格はオペラ。人間の声が入っている音楽は概してだめです。だから、バッハの曲であっても「マタイ受難曲」などを聞きながら『クッブドンハ手詰5』を解くのはかなりの苦痛です。あ、でも、どんな状況においても集中力を発揮できるようにはなるかもしれませんね。
合いそうで合わないのはモーツァルト。明るく楽しすぎるようで、こっちが知恵熱出しながら一手必至を考えているのがばかばかしくなります。
バッハの鍵盤楽器曲にしろ、ダウランドのリュート曲にしろ、あまり強弱の差がなく、(いわゆるロマン派の音楽のような意味での)ドラマティックな表現のない音楽なので、BGMとして向いているとは言えそうです。
「詰将棋がすいすい解けるBGM集」なんて作れないかな。
- 祈れ、最後まで
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2011.08.06 Saturday
近所に市立図書館の分室があります。オンラインで他の場所にある本を取り寄せて借りられることをようやく最近知りまして、時折利用しています。
分室なので蔵書自体はそれほどの量ではありませんが、それでもついつい見に行ってしまうのが「将棋」のコーナー。数は少ないもののなぜか『森下の矢倉』や『右四間で攻めつぶす本』など、専門的な本が揃っています。入門書はごくわずか。一体誰が選んでいるのか謎です。
将棋のコーナーの前後にあるのは囲碁にトランプ、麻雀といったところでして、これはどこでも同じですね。お互いに多少混じっていたりするのもよくあることですが、先日行ったら鷺沢萠『祈れ、最後まで サギサワ麻雀』が将棋のコーナーに混じっていました。
鷺沢萠(さぎさわ・めぐむ、1968-2004)さんは若くして命を絶たれた作家で、麻雀を通じて先崎学八段とも交流があったようです。きっと、先崎八段と麻雀を打ちたくなって、隣のコーナーまで移ってきたのですね。
今でも読める、鷺沢さんの公式ウェブサイト内の日記に、羽生二冠が一回だけ、何の脈絡もなく登場します。2001年5月15日の表日記(裏日記もあるのです)。
ところで話は全然変わりますが、こないだ将棋の羽生さんがテレビに出てた。別に特にファン、ってわけじゃないけど、ああ、やっぱ一流の人っていいコト言うもんだなあ……、と思った。
「臆病というのは、大事なものです」
含蓄あるなあ……。
鷺沢さんももっと臆病だったらよかったのに。