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「名刺」その後(湯川恵子)

きょう、南三陸町から電話があった。


「湯川さんですか? わたし、小野寺です」
わあっ、本当に生きておられたんですねぇ……。
「何度も電話もらってたようですが、なかなかかけらんなくて」
ああ〜、ご無事でよかった、よかった。
「でさ、交流会なんだけど」
は?
「関東交流会よ、ペンクラブの。今年もなんとか行きたいとは思うんだけど」
あ、あのねぇ……。じゃご家族も無事だったんですね?
「うん、僕は幸運ですよ。息子は山形のほうに行ってたし。家内は待ってたし。そう、幸いうちは家も残ってくれて」
さすが一級建築士の家だわね。


先日このブログに「名刺」という題で書いた、あの小野寺真さんだ。
実はあの記事を読んだ方の中に小野寺さんの知り合いの岩原秀美さんがいて、二人でひょいと携帯電話が通じた時があったそうだ。
で岩原さんがこのブログにメールで彼の生存情報をくれた。そういえば私も岩原さんと知り合いだ。小野寺さんと同じくあの実名の対局サイト「近将道場」で知り合ってオフ会で会ったこともあった人だ。


それはともかく、ブログ担当の白田くんがメイリングリストで岩原さんのメールを転送したから、将棋ペンクラブの幹事連中はみな小野寺さんが生きていることは知って喜んでいた。しかしまさか、きょうの電話がいきなり関東交流会の件だったとは意外だろう。


「ぜひ行きたいんだけど、まだ、ちょおっと無理かもしれないんだよね。でも行けなくても来年は絶対、絶対また行きますから皆さんによろしく」


ネット対局でのチャットは陽気な人柄を感じていたし、初めて交流会に来てくれたときはヌボ〜としたヒトの良さそうな印象、声は静かだなと思った記憶がある。
きょうの電話は、力のこもっためっぽう元気な声だったので驚いた。


はい、はい伝えます。元気で本当によかったです〜。
「まぁ会社はぜんぶ壊れちゃってね、社長も亡くなったんですよ。でも僕はほら、仕事が作り屋だから。やることはいっぱいある。頑張りますよ」
あのね現金書留だけなら郵便局が、避難所とかも探して届けてくれるんですって、家が残ったなら、なお届き易いよねだから……。
「いや金は、うちは大丈夫、食料は配給がきてくれるし、電気代や水道料とかもナシ、安上がりな暮らしですよははは」
それ、停電と断水が直ってないってことでしょうがぁ。
「だから使うとこほとんどないからご心配なく、ほんと、湯川さん送ってくれなくていいですよ」
え〜っそれを早く聞きたかったなぁ、昨日もう送っちゃったわよ。
そういえばいつか、湯川家の貧乏自慢を小野寺さんに聞かせちゃったこともあるなぁ。
と電話口でぶつぶつ。現地の局の事情で、いつ届くかわかりませんよと近所の郵便局で言われたときの不安が、もう何日も前のことのように思われた。


(この文章は3/24夜に、恵子さんが管理人に送ってくれたものです)

author:けいこ, category:その他, 00:00
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