和光市駅で犬塚の将ちゃんと別れた我々は、東上線の下り電車に乗り込みました。
そしてなんとなく、白田青年と私で、もう一局指そうという話になったのです。いやぁ、ここまできてまだやるか、という感じですねぇ。
で、なんと途中下車して、とある駅の商店街で場所探しです。まだまだしんしんと雪が降っているというのに……。
「やっぱり居酒屋の一手ですかねぇ」と白田青年。
「いや、それだと長くなっちゃいそうだから、ちょっと妙手を用意してます」
と私。そして雪の中、商店街の中央までずんずん進んでいきます。
実は私の妙手は日高屋。居酒屋でなくてラーメン屋です。意外にもここ、じっくり腰を落として呑めるお店なのです。酒はビールだけでなく、いくつか種類があります。メニューにはポテトフライなど、酒のつまみが並んでいます。しかも安くて早い。私は近所の店舗を居酒屋代わりに使っているのです。ですので、この商店街の店舗も対局場としてピッタリなはずと思ったわけです。
しかし店の前まで来ると、どうにも対局に向かない感じがします。いつも私が行く店舗と違って、店の造りが細長くて狭いのです。しかもご飯時で混みあっています。なんだか将棋など指してたら客たちからジロジロ見られそう。それよりまず、とても長居できそうにありません。
じゃあ諦めて帰りますか、とはならず、今度は一転、私の地元に向かうのです。何度か指していて、勝手も分ります。で、雪だし寒いしということでタクシーに乗ってしまうのです。ただの一局のためにここまでしてしまうのです。自分たちのことながら、ほとほと呆れてしまいます。
タクシーで走ること20分。我々は居酒屋に着いてとりあえず酒を頼むと、すぐにマグネット盤をテーブルに出したのでした。
湯川さんがセッティングしてくれた若手幹事会の日は、どっぷり将棋に浸かった日でもあったのでした。
(ようやく終わり)