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ふたりのハラヤス(後編)

さて、原田九段と谷川王位に四枚落ちで勝利と、お二人の心配りをおみやげに札幌へ戻られた原田さんに思わぬものが送られてきます。


原田泰夫九段対原田康子二段半の四枚落ち戦の棋譜です。四枚落ちにかぎり、私の棋力は二段半とのご託宣です。


さっそく棋譜を並べた原田さんは、自分が日頃以上の力を出せていることに驚きます。そしてその原因に、教えを乞おうという無心の境地で指せたこと、そして脱稿直後で頭がすっきりしていたこと、札幌に比べての東京の暖かさ(指されたのは一月末)などを挙げています。


それにしても、指導対局の棋譜を送るという原田九段の心遣いは素晴らしいですね。

author:はくた, category:バックナンバーから, 00:00
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ふたりのハラヤス(前編)

忘れた頃にやってくるバックナンバー読み返し企画です。今回は第2号から。


先だってあらはたさんが紹介してくれた第1号のタイトルは「題名未定」(題字は団鬼六氏)でしたが、第2号は『季刊 将棋ペン倶楽部』とタイトルも定まり、判型もA5判と今と同じ大きさになりました。会報としての体裁が整ってきた感じです。


色々な記事がありますが、今回は第1回文壇将棋会の記事からちょいとご紹介。囲碁の世界には文壇本因坊戦があるらしいですが、将棋にも以前はこういうイベントがあったのですね。「文壇名人戦」ではなく「文壇将棋会」というところが、将棋ペンクラブらしい発想だと思います(もっとも、週刊ポスト主催の「文壇名人戦」に、将棋ペンクラブが協力していたことはあります)。


参加者のお一人に原田康子さんがいらっしゃいました。原田さんは北海道で活躍された作家(お生まれは東京)で、代表作に『挽歌』があります。還暦近くになってから将棋にのめりこみ、将棋部にいる大学生に教えてもらいながら力をつけたとのこと。その原田さんの「幸福な一日」から。まずはお名前が一字違いの原田泰夫九段に四枚落ちで教えていただいています。


…原田九段との対局中、私がおかしな手を指しそうになりますと、九段はそれとなく注意をあたえてくださったのです。注意を受けたのは二度か三度、原田九段との勝負は、厳密にいえば指導対局と申せましょう。


続いては谷川浩司王位(当時)に挑戦。「四枚落ちはしばらく指していませんからねえ」と駒を並べながらつぶやく王位。


 けれども、谷川浩司はやはり谷川浩司でした。終盤、王位の陣地がくずれかけるや、私の玉頭めがけて王位の駒が殺到してまいりました。しかも、王位の駒台には金が残っているのです。負けました、と私が言おうとした刹那、かたわらより大音声あり。
「玉は左に逃げる」
 なるほど、左へ逃げますと、私の玉は詰まないカタチになるのです。私は声のとおりにいたしました。これで、勝負は幕となりました。大声のぬしは原田九段でした。王位は笑いを噛みころしたようなお顔をなさっていました。


原田九段の朗らかな声に、谷川九段の微笑が目に浮かぶようです。

author:はくた, category:バックナンバーから, 00:00
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バックナンバーを読む!  (1) 創刊号
   

 
幹事が将棋ペン倶楽部のバックナンバーを読んで、感想を書いていこうというこの企画。
その第一回は当然、創刊号です。
 

 
 

 

  

これが創刊号。う〜む、厳かです。
 

右上に発行した日が記載されていて、「1987年11月27日発行」となっています。つまり昭和生まれということなのですね。

 
B4サイズだったというのも初めて知りました。私がペンクラブに入会したのは平成15年で、その頃にはもう、現在のサイズになってました。

 
  

『題名未定』というのがまたスゴい! 団鬼六先生の書によるもので、なんだか紙から抜け出して迫ってくるような力強い文字です。

 
表紙の中央を飾るのは、井上光晴先生の「将棋とは何か」。予定でも連絡事項でもない、生々しい言葉がドーンと表紙の中央を占める。さすが創刊号、さすが将棋ペンクラブ、という感じです。

 
 
 
 
創刊号は全部で16ページ。内容のほとんどは、会員の方々の発会に対するお言葉です。

それにしても著名な方が並んでいてビックリしました。

   
 
 

 
 

面白いのは、8、9ページが見開きで空白になっていることです。「メモ、サイン等、御自由に御使い下さい」と小さく書かれています。

そして14、15ページは会員名簿です。会員の電話番号も載っていて、東京が9桁になっているのが時代を感じさせます。
 
巻末の16ページには将棋ペンクラブ会則が載っていて、その下に、行事予定、誌名募集、次号の原稿募集、編集後記があります。

その誌名募集には、「『題名未定』は東氏の苦しまぎれの一手。よい題名を考えてください。採用に薄謝呈。」とあります。簿謝、おいくらだったのでしょうか。

この創刊号からまもなく四半世紀。年月に重みを感じます。
これからこの連載が進んで、紙面がどう変わって今のカタチになったのかを知るのが、楽しみです。

 

 
 

author:あらはた, category:バックナンバーから, 01:18
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